昨年末に購入したエスプレイドΨをクリアした。クリアしたモードはアーケードプラス。プレイヤーの当たり判定表示とボス体力の形態変化ポイント表示をONにしたこと以外は基本的にデフォルト。

基本的に、はじめて到達できたときの喜びを大きくしたかったのでコンティニューは禁止し、いろりの部屋の利用もノーコンティニューで到達した箇所まで(クリアした箇所ではない)に限定した。尚、私はゲーセン族ではなく家庭用族なので、エスプレイドはこれが初プレイである。

全体として、抱え落ちが非常に辛いゲームだった。(ゲームセンターにとってはインカムが大事なので必然だが)原作にはオートバリアーがないので「まずい」と思って咄嗟に推したときには被弾しているケースがほとんどだった。詳細後述するが、苦手な箇所ではどんどんガードバリアーを使うようにした。

SUPER EASYとは別に、敵の攻撃はそのままに難易度を調整できる要素が複数あるので、シューティングがあまり得意でないプレイヤーでも楽しめるように作られている点が素晴らしい。オートバリアー、当たり判定の縮小、スコアエクステンドの変更。

エスプレイドΨのよくなかった所 Link to heading

先によくなかった点を述べる。これはすべてエスプレイドの問題ではなく、エスプレイドΨの問題である。

まず、リプレイのジャンプが非常に遅かった。おそらく内部的に描画を行わずに状況再現を行っているのだと思うが、クイックセーブ・クイックロードの実装を流用したジャンプ機能がステージ間だけでも欲しかった。

次に、いろりの部屋でガードバリアーゲージが引き継がれる点。そういった練習はクイックセーブ・クイックロードでやればいいと思う。いろりの部屋ではバリアー禁止か否かで十分。むしろバリアーをリセットするために他のモードに行く必要があり面倒だった。

そして、BGMセットを変更できるモードがかなり限られている点。ARCADE、ARCADE PLUS、SUPER EASY、CUSTOMでは変更できるが、ARCADE CHALLENGE、ARCADE OSARAI、いろりの部屋ではできない。Drive Waves 2019はサイコーだったのですべてのモードで聞きたかった。

また、PS4とSwitchでランキングを共通化して欲しかった、Steam版を出して欲しかった等があるが、これらは難しいだろう。処理性能による差異はほとんどなく、入力機器による差しかないのであれば、ランキングが共通であってもほとんど差はつかない筈だ。PS4のランキングがどの程度盛り上がっているのかは知らないが、Switch版はかなり低いスコアでも全国一桁レベルになってしまった。

あとはコンフィグを項目毎にデフォルトへ戻すことができないとか、画面サイズタイプ変更時にGADGET TRIGGERがOFFになるとか、そういった細かいところに対する不満程度しかない。

エスプレイドΨのよかった所 Link to heading

豊富なM2ガジェットはすごくいい。ボスの名前やイラストが表示されるのも燃える。その他の項目はスコアリングにおいては大事なのだろうと思うが、私はそもそも見る余裕が無かった。画面サイズタイプが充実しているのも良い。この辺りの充実具合は「不満がほとんどない所こそが素晴らしい」と言える所だ。

クイックセーブ・クイックロードを使えばいろりの部屋以上に細かいスパンで練習できるし、いろりの部屋で区切りになっている箇所の継続練習も可能だ。ワンコインクリアを目指さないプレイヤーにとっても有用だろう。クイックセーブ・クイックロードの存在は作り手のエゴに捉われない姿勢が感じられ、好感が持てる。

いろりの部屋とアーケードプラス以外はまだほとんど遊んでいないので無評価。

その他エスプレイドΨについて Link to heading

いろりの部屋がちょうどよい所でステージを区切っていて、気軽に個別練習できる点は非常によい。ベタな移植ではこういった個別練習を繰り返しするための仕組みが充実していなかったり、途中区切りが長すぎたり無かったりするためにほとんどやる気が起きなかったりすることがある。エスプレイドΨではそういった事に悩まされることは一切なかった。

一方で区切られているがために、そこを連続して練習したい場合にこまる事もあるが、それはクイックセーブ・クイックロードとARCADE CHALLENGE、ARCADE OSARAIで補える。練習のための仕組みに事欠かないのがエスプレイドΨの大きな美点のひとつだ。

亜莉水が本当に必要だったかはさまざまな意見があると思うが、弱めに調整されてるのはよかったと思う。ガラ婦人ほどカリスマのあるキャラでもないし、あまり強いと違和感がある。条件を満たしたら真亜莉水が出現するとかでてもよかったんじゃ、などと一瞬考えたが、あくまでアレンジ移植なのに原作にない新しい打倒目標を追加するのは、やはり何かが違う気がする。

亜莉水戦の音楽は凄く良かった。オリジナルサウンドトラックは限定版の特典だが、Drive Waves 2019はSweepRecordで買うことができる。オススメです。

基本的にARCADE PLUSしか遊んでいなかったので、亜莉水にも非Drive Waves 2019版が存在することを知らなかった。

エスプレイドそのものの感想 Link to heading

ステージ4クリアまでと、ステージ5Aクリアまでと、オールまで、各々同じくらい時間がかかった。難しい局面でいかに抱え落ちしないか、計画的にバリアを使うかと、それ以外の凡ミスをいかに抑えるかが最終的な課題になった。

パワーショットとガードバリアを上手く活用することがクリアを目指す上でもスコアリングにおいても両方で重要になっており、システムと渾然一体になって操作系はシンプルでありながらリソース管理を絡めることでゲーム性に奥行きを持たせている。

全体的に弾速がそれほど遅くないゲームなので、ガードバリアを使う判断を下す前に被弾してしまうことが多く、抱え落ちしがちだった。被弾するとガードバリアが全快し、そこから実に4回も使えるので抱え落ちは非常に損である。また、点アイテムによるガードバリアの回復時間も回数を重ねる毎に(必要なアイテム数も増えるが)時間が長くなるので、後半のステージに長めの回復タイムを持ってこようと思うと、前半から積極的にガードバリアーを使っていく必要がある。全編通してガードバリアーを積極的に使わせようという設計上の意図が見え、難易度もそれを前提に設計されているように感じられる。

私はスコアラーではないのでスコアリングはほとんどしていないが、円アイテムの取得によって倍率がかかる時間を延長できるシステムが実に巧妙だと思う。このシステムのおかげで上手くパターンを作り、アイテムを回収すればするほど16倍が繋がり最高に気持ちよくなれるように作られている。ほとんど悪魔の所行だと思う。

ワンコインクリアするまでモチベーションが保つことは中々ないので、とても楽しめていたのだと思う。亜莉水に落とされた時は狼狽したが。

とくに印象に残っているのはイズナ、4面道中ラストの中型機ラッシュ、5面道中の重戦車と黄色い戦車、そして勿論ガラ婦人だ。

イズナは真正面に立たないと有利な点や、耐久力をうまく調整しガードバリアーを併用することで、難しい攻撃をほとんどスキップできるのが印象的だった。4面道中ラストの中型機ラッシュは、ここに限らず中型機全般で言えることだが、どのような状況でもいかにパワーショットをしっかり冷静に撃ち込んで処理し、圧殺されないかの大事さを教えてくれた。

5面道中の重戦車は接近戦と誘導の大切さを、黄色い戦車は多面的に展開する敵の捌き方とスクロールアウトさせるテクニックのチュートリアル(?)になっている。

そしてガラ婦人。第一形態はガラ婦人の動きや運次第で絶妙に厳しくなるパターンがあり、冷静な判断力が求められ、第二形態はガチ避けを、第三形態はパターン構築力を求められるようにできている。第四形態の高速弾と第五形態の張り手は他のゲームではほとんど見られないもので、迫力があり、避け方も独特だ。高速弾の回避は大きく動きながら隙間を縫う必要があり、他では味わえないスピード感がある。また、最終形態はガードバリアからビームを放つと逃げるので、持久戦で真正面から倒すことを求められる。近づきすぎるとガラ婦人が大きく動いた時に衝突するし、離れすぎると張り手弾の発射回数が少なかった時に追い込まれる。そうでなくとも判断をミスると追い込まれるので、持久戦の中で如何に集中力を保ち続けるかが肝要だ。だからこそ、だからこそ倒した時のカタルシスが気持ちよい。さらに巧妙なことには、この張り手弾は誘導、判断力が求められる弾幕ではあるものの、反射神経、ガチ避けは他の弾幕ほどは求められない。他の弾幕は人によっては安パイを採ってガードバリアで省略することになる(私もそうした)が、最終形態だけは必然的に「ひりつく様な緊張感の中で、ガラ婦人と真正面から対峙する」ことになるように作られているのだ。これらにビジュアルと音楽の力が相まって、婦人のカリスマ性を形作っている。

ところでアレスはガラ婦人が趣味で作らせたのだろうか?仮にそうだったとして、壊してしまってよかったのだろうか?最初から対エスプ者用の兵器として作ったのかもしれない。

とてもおもしろいゲームでした。ありがとうアトラス、ありがとうケイブ、ありがとうM2!